訪日客の宿泊数、2025年は約1.78億泊(OECD)
訪日外国人が日本に泊まった延べ宿泊数は、滞在の総量を映すインバウンドの実数。コロナ禍からの回復を年次で観測する。
OECDの観光統計で、訪日外国人が日本の宿泊施設に泊まった延べ宿泊数は、2025年で約1.78億泊。コロナ禍でいったんほぼ消えたインバウンドが、どこまで戻ったかを測る実数だ。宿泊数は、報じられがちな『訪日客数◯万人』だけでは見えない、滞在の総量を映す。
延べ宿泊数は、来た人数に泊まった日数を掛けたものだ。だから人数の回復だけでなく、一人ひとりの滞在が長くなれば数字はさらに伸びる。宿泊業・飲食・交通・土産物といった地域経済への波及は、来訪した人数よりも、この延べ宿泊数のほうが実際の効果に近い。過去最高圏なら、インバウンドは人数の回復を超えて『滞在の深化』の局面に入ったとも読める。
ただし、この伸びは全国で均一ではない。宿泊が東京・京都・大阪といった特定都市に集中すれば、オーバーツーリズムと地方の取り残しが同時に進む。総量の最高値は、恩恵の偏りを覆い隠す数字にもなりうる。量が増えたことより、その量がどこに落ちているか——分布こそ、次に見るべき論点ではないか。
円安が続く限り、外国人にとって日本は割安であり続け、訪日は伸びやすい。だがその割安さは、裏を返せば日本人自身の購買力の低下でもある。同じインバウンド好調という数字が、迎える側の豊かさの証とも、通貨が弱った結果とも読める。手放しの朗報とも、構造的な弱さの表れとも、即断はできない。
延べ宿泊数が過去最高圏にあるなら、インバウンドは『人数の回復』を超えて『滞在の深化』の局面に入ったと見られるのではないか。人数だけ追うと見えないが、一人あたりの宿泊が伸びているなら、地域に落ちる金額はさらに大きくなる。
ただしこの伸びは全国均一ではない。宿泊が特定都市に集中すれば、オーバーツーリズムと地方の取り残しが同時に進む。総量の最高値は、恩恵の偏りを覆い隠す数字にもなりうる——量の裏の分布こそ、次に見るべき論点ではないか。
宿泊数の増加を手放しの朗報とも限界のサインとも即断はできない。円安が続く限り訪日は割安であり続けるが、それは日本人にとっての購買力低下の裏返しでもある。同じ数字が、立場で正反対の意味を持つ。
取得 2026-07-27 07:00 JST(launchd 定時観測)· この記事の全数値は再取得できます