国内研究が最も厚いのは「介護」(405本)
日本語論文を集めるJ-STAGEの関心語別の本数は、日本社会が何を研究に値する課題と見ているかの地図。国内固有の研究関心を数で観測する。
日本語の学術論文を集めるJ-STAGEで、社会的な関心語ごとに2025年以降の和文論文数を数えた。最も多いのは「介護」で405本。続くのは感染症344本、認知症252本、防災247本。
少子化・認知症・防災・空き家といった日本固有の課題は、英語圏より国内で研究が厚くなる。だから英語DBだけを見ると、こうした自国の研究蓄積を過小評価してしまう。和文論文を数えることは、海外指標が取りこぼす日本の知的関心を、数字で可視化する営みだ。
ここから言えるのは、和文論文の分布は日本社会が何を『研究に値する課題』と見なしているかの反映だ、ということではないか。研究予算や学会の構造にも左右されるため単純ではないが、どのテーマに国内の頭脳が張っているかの傾向は読み取れる。
影響が及ぶのは、政策の科学的な裏づけの厚みだ。研究が厚い課題は、対策を立てる際に参照できる知見が多い。逆に社会的重要度に比べ研究が薄いテーマは、根拠に乏しいまま議論が進むリスクを抱える。研究が厚い=解決が近い、ではないが、蓄積の有無は対応の土台を左右する。
少子化や介護など日本固有の課題で和文論文が厚いなら、海外の英語DBだけを見ると自国の研究蓄積を過小評価する、と言えるのではないか。和文論文を数えることは、海外指標が拾えない日本の知的関心を可視化する。
研究が厚い=解決が近い、ではない。難問ほど論文は積み上がり、それでも解けないことがある。本数は関心と資源の集中を示すが、成果の保証ではない。
この分布は研究予算や学会の構造にも左右される。言えるのは、日本社会が何を『研究に値する』と見なしているかの地図までだ。
取得 2026-07-28 07:31 JST(launchd 定時観測)· この記事の全数値は再取得できます